日本におけるみかんの一大産地、愛媛県宇和島市。
温暖な気候と水はけのいい段々畑が、柑橘類の栽培に適しており、明治維新以降、栽培が盛んに行われるようになったと言われています。
今回は、そんな宇和島で30年以上に渡り、柑橘類の栽培に励んでいる農家さんにお話をうかがいました。
農薬を使わず栽培するからこその大変さや苦悩。
そして、みかん栽培に恵まれた環境を活かしながら、長年の経験によって、培われたおいしいみかんが作られる秘訣や、無農薬みかんを食べた方から頂いた感想をご紹介します。
柑橘類にとって理想的な地形の宇和島
ーーこちらの農園の特徴は、ありますか?
農薬を使わず、栽培をしているのが一番の特徴ですね。
他には、土壌改良材として炭を使うことです。
炭には、保水力があるため、土壌に入れると、木の根が炭に向かって集まってくるんです。
そのため、みかんもおいしくなります。
炭にも種類があって、硬いものや柔らかいもの、海外製のものがありますが、うちの農園では、輸入したものではなく、落葉樹からできた、柔らかい炭を使っています。
ーーこの土地が柑橘類の栽培に適している理由はありますか?
傾斜地で、水はけがよいからです。
傾斜がきついのは、作業をする上で大変ですが、その反面みかんの味は、おいしくなります。
ーー宇和島がみかん栽培に適しているのは、なぜですか?
この辺りは、リアス式海岸なので、柑橘類の栽培には適している地形です。
柑橘類は寒さに弱く、日当たりのよいところで育てる必要があるので、栽培が海岸沿いで盛んなのは、そのためですね。
無農薬栽培で育てる苦悩の背景
ーーよい作物をつくる秘訣はありますか?
除草剤は一切やりません。
除草剤をまくことによって、アクが出てしまい、柑橘類なのに食べてもスッキリしない後味が残ってしまうからです。
ーー除草剤を使わないと普通より、手間がかかりますよね。
そうですね。除草は手間がかかります。
あとは、害虫が出ないように工夫しないといけないのも大変ですね。
ーー農作物を栽培する過程で、どんなところが一番大変ですか?
やっぱり、草むしりですね。
特に、夏場はどんどん伸びてしまい、草だらけになってしまうので・・・。
あとは、何年かに一度、カメムシが大発生するときがあるのですが、どうしても殺虫剤をかけられないので、その対策もしなければなりません。
カメムシのえさであるひのきなどの樹液が少なくなると、畑の方まで降りてきてしまい農作物にも影響が出てきてしまうようです。
ーー獣の被害などは、ありませんか?
これまではありませんでしたが、ここ3~4年は、イノシシがいきなり現れて、被害を受けています。
実をきれいに食べられて、なくなっちゃうので困りますね。
みかんジュースを飲むだけで血圧が下がったり、骨粗鬆症が良くなった
ーーみかん作りで一番大事にしていることはどんなことですか?
当たり前ですが、農薬を使わずに、果実の味をどれだけおいしくできるかを一番に考えています。
外観は綺麗にならないことが多いのですが、その分、中身で勝負という感じですね。
ーー購入者の方から言われて嬉しかったエピソードはありますか?
やっぱり「おいしかったですよ」の一言が嬉しいです。
購入してくださった方の中には、うちのみかんを食べたり、ジュースを飲んだら、血圧が下がったり、骨粗鬆症がよくなったりしたという話も聞きます。
ーー「普通のみかんとここが違う」と言われるのは、どんなところですか?
そうですね。あっさりしていて灰汁が少ないので、さっぱりしていると言われます。
あとは、当然ですが、おいしいかどうかですね。
農薬を使わず、身体に安心なものであっても、すっぱいと売れないので、甘くておいしいみかんができるよう工夫しています。
ーー一般の人が、おいしいみかんを見分けるコツはありますか?
見分けるポイントは、色ですね。
色がきれいで赤くなっていて、皮が薄いものがおいしいです。
ーーおすすめの食べ方はありますか?
うちのみかんは、表面の皮の苦みがありません。
だから、皮ごと食べても大丈夫です。
今年は、1~2月の寒波の影響で出荷できませんでしたが、甘夏をジャムに加工して食べるのもおいしいですよ。
美味しさと生産者の想いがたくさんつまったみかんジュース
野菜.comに新登場したみかんジュースは、添加物を加えず、果実のみを使用した果汁100パーセント。
まるで、みかんをそのまま食べているかのような、濃厚さ。
混じりっ気のない純粋なみかんジュースを味わうことができます。
ジュースの他にも、瀬戸内海の風と太陽をたくさん浴びて育った様々な柑橘類を、そのまま使用したドライフルーツもご用意。
砂糖を使わなくても、外皮の苦みが少ないため、天然の甘さと香りをお楽しみいただけます。
自然豊かな土地で、丹精込めて育てた無農薬の果実から誕生したドライフルーツを、ぜひ一度お試しください。